コラム 観賞魚
停電した水槽は、電源で何時間もつか
ヒーターまで動かすと数時間。空気だけなら1週間近く。電源の回し方で変わります。
魚は、連れて逃げられない
犬や猫はキャリーに入れて避難できますが、水槽は運べません。環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」はペットを「犬や猫等の小型の哺乳類と鳥類等」としていて、観賞魚は対象に書かれていません。魚と暮らす家は、はじめから家で乗り切る前提で備えることになります。停電すると、ヒーター、ろ過フィルター、エアーポンプが止まります。
60cm水槽の機器は、合わせて約169W
60cm水槽(約57L)を例にします。ヒーターはジェックスの目安表どおりの160W、ろ過はエーハイムのクラシック2213(50Hz 5W/60Hz 6W)、エアーポンプは水作の水心SSPP-3S(50Hz 2.5W/60Hz 2.1W)。50Hzと60Hzで違うものは大きいほうで数えて、合計168.5Wです。お使いの機器の消費電力は、本体のラベルか説明書で確かめられます。
ヒーターを電源で動かすのは、数時間が限界
ポータブル電源で動かせる時間は「容量(Wh)×0.8÷消費電力(W)」で出せます(Jackery Japanの計算式。0.8は変換のロスのぶん)。512Whの電源に3つ全部をつなぐと、約2.4時間です。ヒーターは水温を見て入ったり切れたりするので実際はもう少し長く動きますが、それでも電源の大半をヒーターが使うことに変わりはありません。
電源は、空気とろ過に回す
ヒーターを外して、エアーポンプとろ過だけにすると約48時間。エアーポンプだけなら2.5Wしか使わないので、約164時間(約6.8日)動きます。同じ電源でも、何をつなぐかで時間が数十倍変わります。下の計算で、機器と電源の容量を変えて確かめられます。
60cm水槽の機器を、電源で何時間動かせるか
変えるとすぐ計算し直します512Whの電源で(合計 8.5W)
48時間(約2日)
7日もたせるのに要る容量
1,785Wh
512Wh × 0.8 ÷ 8.5W = 約48時間(約2日)。 容量に0.8を掛けるのは、変換のロスで表示の容量をすべては使えないためです(Jackery Japanの計算式)。
- エアーポンプ:水作「水心 SSPP-3S(30〜60cm水槽用)」50Hz 2.5W/60Hz 2.1W(取扱説明書の製品仕様)
- ろ過フィルター(外部式):エーハイム「クラシック2213(45〜75cm水槽用)」50Hz 5W/60Hz 6W(製品仕様)
- 乾電池式エアーポンプ:マルカン(ニッソー)「乾電池式エアーポンプ B-1(NPC-161)」約30時間連続使用可能・単1乾電池×2本・水深約30cm以下の水槽(製品情報)
電気を使わない空気:乾電池式エアーポンプ
乾電池で動くエアーポンプもあります。マルカン(ニッソー)の乾電池式エアーポンプB-1は、単1乾電池2本で約30時間動くとされています(メーカー公表値)。7日(168時間)続けるなら6回分、単1乾電池が12本です。適合は「水深約30cm以下の水槽」なので、お使いの水槽の水深と合うかを先に確かめてください。
水温は、熱が逃げる道をふさいで守る
ジェックスは、水槽の水温が下がる原因として、水面からの蒸発、前後左右のガラスやアクリル面からの放熱、底面からの放熱の3つを挙げています。そして水槽と水槽台のあいだに断熱材を敷くと、放熱を3割減らせるとしています(同社「観賞魚の初めての冬越え」)。停電してから材料を探すのは難しいので、水槽の大きさに合わせた断熱材を先に用意しておくと、そのまま使えます。
どの魚が、何度まで耐えられるか
魚の種類によって、適した水温は違います。飼っている魚に合う水温は、飼育ガイドや購入したお店で確かめておいてください。電源の容量は、その水温を保ちたい時間から逆算できます。