在宅避難という選択
うちの子と、家に残るということ
建物が無事なら、住み慣れた家にいるほうが安全に過ごせることがあります。犬猫と暮らす家庭では、それが選択肢ではなく前提になることも少なくありません。
防災用品の多くは「持ち出す」ことを前提に作られています。 リュックに詰めて避難所へ向かうための道具です。
けれど避難所が、うちの子を受け入れてくれるとは限りません。受け入れの可否は自治体ごとに異なり、過去の災害では断られた例や、 他の避難者とのトラブルを避けて車中泊を選んだ例が報告されています。 多頭飼いなら、そもそも大人1人で連れて歩ける頭数に限りがあります。
問題は、在宅避難に必要な量が、持ち出し袋とは桁違いだということです。リュックに入るのはせいぜい1〜2日分。しかし家で1週間を過ごすなら、 4人家族と猫2匹で、ご家族の水は84L、 簡易トイレは140回分、 うちの子のフードは560gになります。
そして見落とされがちなのが、ご家族の備えも、うちの子のための備えだということです。 水が切れれば給水に並び、簡易トイレが無ければ家にいられなくなります。 飼い主が家を出た時点で、うちの子は家に残るか、連れ出されるかのどちらかになります。
備える順番
多くの防災情報は食料と水から始まります。 当サイトはキャリーを最初に置き、そのあとにご家族のトイレを置いています。
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キャリー・ケージ
頭数ぶん。日数の問題ではありません足りなければ、避難という選択肢そのものが消えます。逆に言えば、ここが埋まっていない家庭は、はじめから在宅避難を前提に備えるべきです。なお大人1人が運べるのは2頭まで、階段で降りるなら1頭までが現実的で、キャリーの数だけ揃えても解決しないことがあります。
公的な基準がないため、当サイトが算出しています
- 02
うちの子のフード
猫2匹・7日で 560g非常食を買い込むより、いつものフードを1袋多く買っておくほうが確実です。食べ慣れないものは、非常時こそ食べてくれません。減った分だけ買い足していけば、期限切れで捨てることもなくなります。
公的な基準がないため、ふだん与えている量から計算しています
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ご家族のトイレ
4人家族・7日で 140回分断水すると、家のトイレは流せなくなります。マンションでは、下の階の配管が壊れているのに流してしまい、階下に汚水があふれる事故も起きます。ここが尽きると家にいられなくなり、家を出るとき、うちの子を連れて行けるとは限りません。
出典:内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン(平成28年4月)」
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水
4人家族・7日で 84L(ご家族の飲用・調理のみ)ここで最も誤解されるのが、この量に「洗う水」「流す水」が入っていないことです。公的な目安は飲む・調理するぶんだけの量で、手や食器を洗う水、トイレを流す水、うちの子の足を拭く水は別に必要になります。うちの子の飲み水も、これとは別に要ります。
出典:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド/大事な水、どうやって備えますか?」
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電気
スマートフォンと照明だけで 455Wh夏の停電は、人よりうちの子にこたえます。犬猫は汗をかけないため、体温を下げる手段が限られるからです。冷房が止まった部屋の温度は、思っているより速く上がります。扇風機や冷却グッズを使うなら、必要な容量はさらに大きくなります。
公的な基準がないため、当サイトが算出しています
- 06
ご家族の食事
4人家族・7日で 84食飼い主が食べられなくなると、世話をする体力が続きません。ここも普段食べているレトルトや缶詰を多めに持っておくほうが続きます。加熱にはカセットコンロが要ります。停電と同時に都市ガスが止まると、火はこれだけになります。
出典:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)家庭備蓄のすすめ」
在宅避難は、建物の安全が確認できている場合の選択肢です。 倒壊のおそれ、浸水の危険、火災の延焼が想定される場合は、 自治体の避難情報に従って避難所へ向かってください。
よくある質問
- 在宅避難とは何ですか
- 建物が倒壊や浸水の危険にさらされていない場合に、避難所へ行かず自宅で生活を続けることです。住み慣れた環境で過ごせる一方、水も電気もガスも止まった状態を自力で乗り切る備えが必要になります。
- ペットがいると、なぜ在宅避難が前提になりやすいのですか
- 避難所がペットを受け入れているかは自治体ごとに異なり、過去の災害では受け入れを断られた例や、他の避難者とのトラブルを避けて車中泊を選んだ例が報告されています。また多頭飼いの場合、大人1人が連れて歩ける頭数には限りがあります。建物が無事であれば、家にとどまるほうが現実的な選択になることが少なくありません。
- 何日分を備えればいいですか
- 農林水産省は「最低3日分~1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましい」としています。被害が大きいと想定される地域では、2週間分など多めに備えることも推奨されています。
- いちばん最初に困るものは何ですか
- ご家族はトイレです。断水すると家のトイレは流せなくなり、代わりの手段がありません。うちの子はフードです。食べ慣れないものは非常時こそ食べてくれないため、いつものフードを多めに持っておくことがいちばん確実です。
必要量の計算式と出典は数字の根拠に一覧しています。